株式投資をすうえで、配当金や配当利回りは欠かせない知識です。
配当金は株式を保有しているだけで受け取れるため、株式の売買益とは別に利益を獲得することができます。
ただし、配当金の有無や金額は企業によって異なるため、どの株を買っても良いというわけではありません。
そこで今回は、株主配当の仕組みや利回りの計算方法、受け取り方などをお伝えしていきます。

お坊ちゃま、今回は株式投資についてですね!

株式投資でも保有株に応じて配当金が違うのでその辺も要チェックです。
株の配当金に関する基本的な知識

まずは、株の配当金に関する基本的な知識をお伝えしていきます。
企業が利益を上げることで株主へ配当金を分配
配当金とは、利益を上げた企業が株主へその利益の一部を還元する仕組みのことです。
株主は特定の企業の業績および株価が今後上がることを予想し、その株式を購入します。
そして、企業は株式を買ってくれたお礼にと、株主へ利益の一部を還元するのです。
よってトレーダーにとっては配当金も利益となるため、株式の売買益と組み合わせて高い利益率を狙うことができます。
企業によって配当金の金額が異なる
株式投資を行うトレーダーにとって一見有利に感じる配当金ですが、すべての企業が配当金を出しているわけではありません。
配当金は利益の一部から還元される仕組みである以上、業績の悪い企業は配当金を出すことができないのです。
また、企業によって株主の扱い方も異なるため、株主を軽視するような会社は配当金が少ない場合もありますし、ベンチャー企業など調達資金の多くを次期の投資へと回さないといけないケースでは、配当金を出したくても出せないことも珍しくありません。
配当金狙いで株式投資を行いたい方は、しっかりと企業の情報を確認しておきましょう。
配当金を得る権利は決算日の3営業日前に決まる
配当金を得るタイミングは、企業の決算日によって決まります。
日本の場合、一般的に本決算と中間決算で配当金を受け取れる機会は2度ありますが、四半期ごとに配当金を出すことが多い米国とは対照的です。
そして、配当金を得る権利は決算日の3営業日前(権利付き最終日)までに決まります。
たとえば、日本企業の場合は毎年3月31日が決算日になることが多いため、3営業日前の3月28日に株式を保有していれば配当金を得る権利があるということです。
上記の状態で仮に3月29日に株を売ったとしても、すでに権利は確定しているので配当金を受け取ることができます。
ただし、権利付き最終日を経てもすぐに配当金を受け取れるわけではありません。
日本企業の場合は権利付き最終日から約2~3ヶ月後にようやく配当金が配られることが多いため、実際に利益を得るまでしばらく待つ必要があります。
株式投資の初心者が押さえておきたい配当利回りの計算方法

配当金の利益率を把握するには、「配当利回り」を理解しておくことが大切です。
配当利回りとは、株の時価に対して配当金がお得かどうかを知る指標を表し、次のような計算式で求めます。
■配当利回り(%)=1株辺りの配当金÷現在の株価×100
たとえば、株式会社Aの株価が3,000円、1株辺りの配当金が60円だとすると、配当利回りは次のようになります。
■1株辺りの配当金60円÷現在の株価3,000円×100=配当利回り2%
同じく株式会社Bの株価が2,000円、1株辺りの配当金が60円だった場合はどうなるでしょうか。
配当金だけ見るとAとBは同じですが、株価が異なります。
■1株辺りの配当金60円÷現在の株価2,000円×100=配当利回り3%
上記の通り株式会社Bのほうが配当利回りが高いため、同じ配当金額でもBのほうがお得だということが分かります。
配当利回りの高い銘柄ベスト5

上記で配当利回りを計算した通り、配当利回りが高いほど少ない投資金額で高い配当金を受け取れるということです。
では、2020年11月15日時点で配当利回りの高い株式銘柄を5社お伝えします。
参考:Yahoo!JAPANファイナンス 配当利回りランキング
配当利回り1位:コニカミノルタ(4902)
コニカミノルタの配当利回りは、8.33%です。
コピー機やプリンターなどのオフィス製品のほか、医療用計測器やヘルスケア用機器などに強みを持ちます。
もともとデジタルカメラやフィルム製品なども販売していましたが、2006年3月に撤退し、現在はソニーに引き継がれています。
配当利回り2位:芝浦機械(6104)
芝浦機械の配当利回りは、7.64%です。
もともと東芝グループに属しており、当時の名称は東芝機械でした。
企業の名称通り印刷機器や精密加工機、電子制御装置などを得意としており、いまでは工作機械の名門企業ともいわれています。
配当利回り3位:JT(2914)
JT(日本たばこ産業株式会社)の配当利回りは、7.24%です。
たばこ製品はもちろん、医薬品や食料品などの製造・販売も行っています。
配当利回りランキングは業績や経営方針によって順位が入れ替わりやすいですが、JTは上位をキープしていることが多く、常に高い配当利回りを記録しています。
配当利回り4位:あおぞら銀行(8304)
あおぞら銀行の配当利回りは、6.89%です。
東京都千代田区に本店がある普通銀行で、もともとは日本債券信用銀行として営業を行っていました。
地方銀行や新興企業、不動産投資信託会社と提携し、中小企業への融資やベンチャーキャピタルを通じた取引が中心業務となっています。
配当利回り5位:タカラレーベン不動産投資法人(3492)
タカラレーベン不動産投資法人の配当利回りは、6.86%です。
投資法人とは、多くの投資家から資金を集めて大規模な投資を行う企業のことで、タカラレーベンは不動産投資を手がけています。
簡単にいえば、「J-REIT(不動産投資信託)」を扱っている会社ということです。
特にタカラレーベンは、オフィスや住宅、ホテル、商業施設など、数多くの物件へ投資する総合型J-REITに属します。
株の配当金を受け取る4つの方法

配当金を受け取る方法は、現在4つの種類に分かれます。
もともと「個別銘柄指定方式」と「配当金受領証方式」の2種類しか使えませんでしたが、2009年から「登録配当金受領口座方式」と「株式数比例配分方式」の2つが新たに利用できるようになりました。
上記のうち、新たに加わった登録配当金受領口座方式と株式数比例配分方式が使いやすくて便利です。
配当金受領証方式
配当金を得る権利を取得すると、自宅に配当金受領証が郵送されます。
配当金受領証を郵便局の窓口などに持っていくことで、配当金を現金化することが可能です。
個別銘柄指定方式
あらかじめ配当金を受け取る口座を銘柄ごとに指定しておく方法です。
企業によって決算日や配当日が異なるため、個別に配当金を受け取ることで資金管理が容易になります。
登録配当金受領口座方式
個別銘柄指定方式とは異なり、保有するすべての銘柄の配当金を指定した銀行口座に入金してもらう方法です。
一つの指定口座に対して、複数の銘柄を一括で設定できるため、ほとんど手間がかかりません。
株式数比例配分方式
銀行ではなく証券会社の口座へ、全銘柄の配当金を入金してもらう方法です。
同じ銘柄を複数の証券会社で保有している際に役立ちます。
証券会社それぞれで保有する株式数に応じ、各証券会社の口座へ振り分けて入金されるからです。
まとめ
配当金とは、企業が株主へ利益の一部を還元する仕組みのことで、投資家にとっては資産運用の利益の一部となります。
株式の売買益と配当金を組み合わせることで、より高い利益を獲得することが可能です。
ただし、配当金を得るには、権利付き最終日に株式を保有している必要があるので注意してください。
より高い収益を望む方は、配当利回りの高さを参考に投資先を選んでみてはいかがでしょうか。
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